Q77 ジェネレータとT88 ジェネレータ
今回もL228にまつわる話題です。
L228と228のジェネレーターには、一般的によく目にするのがR55ジェネレーターですね。
中にはQ99を付けている個体も時には見かけたりもします。
しかし、当時のオリジナルは基本的にL228はT88が付けられていたようですが、その後なぜかL228リリース前から存在していたQ77が付けられて販売されたそうです。
下の写真は、上がT88 下がQ77のカナダモデルで本体にサンシャインロゴとCOLEMANの刻印があります。
R55.Q99.T88.Q77.この4つのジェネレーターは全長と取り付け部分が同じ規格のためクイックライトランタンにはどれも取り付けることができます。
リリースされた順番としては、Q99⇒Q77⇒ T88⇒ R55 となります。
Q99はクイックライトの元になったジェネレーターで、Coleman Quickliteと言えばこのQ99事態を言うと言っても過言ではない存在です。
その後、Q99のコストを下げたQ77が出ますが、Q99と中身は同じアスベストのウィックが詰められていますが、Q99の独特のループ形状はなく、単なる一本の棒状になりました。
このQ77のリリースがきっかけでL228の特徴の一つでもあるチップのクリーニングシステムが考案されたと考られ、ジェネレーターをいちいち外してチップを取り外してニードルで毎回クリーニングしていた手間を、バルブの開閉と同時に自動で行う画期的なシステムが開発されました。
又、このT88のシステムは同時に開発が進められていたインスタントライトシステムにも良い影響があり、同じT88付のL228にQ77を取り付けて点火してみると、同じ条件にもかかわらずQ77を取り付けた時には点火時に生ガスが出やすくプレヒートを少ししないと赤い炎が若干出てしまいます。
これは、T88のチップニードルの針がチップの穴を上手くふさいでいる為、プレヒートなしでも理想的な混合比でミキシングチャンバーに送られる為ではないのかと思われます。
しかし、このT88も非常に短命で終わった模様で、L228の初期のモデルでのみ搭載されている姿を見ません。
以前eBayでこのT88が付いたモデルを探すために、何か良い見分け方がないかとある人に尋ねたらT88はQ77に比べて若干筒が太くなっているとの情報をいただき、写真を見比べながらeBayを物色したこともありましたが、実際にノギスやダイヤルゲージで測定してみると、両者とも胴回りの径は同じでした。
では何故T88が短命で終わってしまったのか??
これも私の勝手な想像にすぎませんが、T88のクリーニングニードルはバルブステムに直接ねじ込まれているためにバルブと一緒に回転しながらニードルが出入りします。
そのためにジェネレーター内にすぐに発生してパイプ内にこびり付いたカーボンやスラッジがこのニードルの動きで削ぎ落とされ、ニードルがチップの穴から抜けたとたんチップの穴をふさいでしまう現象が何度も発生します。
実際私も同じ経験をはじめはしましたが、ジェネレーター内のニードルをガイドしているコイルに#150のステンメッシュをファンネル状にして取り付けたところその現象は今のところ発生しなくなりました。
当時としてはこのようなイライラする機構にするより素直にQ77を付けた方が手っ取り早いと判断したのではないでしょうか?
それに、1929年には単独でクリーニングできるR55がリリースされていますので、よけいにT88の姿が消えても不思議ではないのでしょうか。
実用的には Quicklite の最終ジェネレーターのR55が一番優れた機能と使いやすさを誇っていますが、個人的には、コールマンエンジニア達の試行錯誤の結晶とも言っても良いT88と、インスタントライトシステムをこの世に送り出した最初のFuel Wire Completeのセットがとてもアメリカ人魂を感じることができると思っています。